この決断:乳癌(投稿から)情報と「複数意見」こそ大切!
朝日新聞(97-12-26)から
★連載「この決断 乳がん」に、読者の方から、たくさんの投稿をいただいた。納得して治療を選んだ人、後悔の募る人と明暗が分かれるが、どの人も情報とセカンドオピニオン(複数の医師の意見を聞く)の大切さを痛感している。
再検査で良性−大学病院では「悪性」。専門病院では「良性」
★東京都板橋区の主婦(48)は昨春、都内の大学病院で悪性(癌)と診断されたが、がん専門病院で再検査すると「良性」で、いま経過観察の状態だ。
★転院しなかったら不必要な手術をうけていた。この衝撃は大きく、一年過ぎてようやく人に話せるようになった。「がんと診断されても、疑問があったらぜひ信頼できる医師を探すべきだ」と強調する。
抗癌剤についての情報不足も問題
★命か乳房かではなく、命も乳房も残せる時代になったのに、手術や薬の情報がまだまだ行き渡っていない。
★千葉県八千代市の主婦(53)は、乳房温存療法で、しこりを取った後、再発予防のためにする放射線治療をうけたくなかった(ので、乳房の全摘出を行った)。全摘出は予想以上につらかったが、自分の選択は正しかったと思う。
★今、気になるのは、抗がん剤だ。術後経口抗がん剤を1カ月半飲んだが、下痢や味の異常がひどいので医師に訴えると「じや、やめよう」とあっさりいわれた。簡単にやめてよいならなぜ飲んだのか。
★連載で紹介した患者会にも抗がん剤についての相談が相次いでいる。
医師の十分な説明と経験者からの話が必要
★福岡県筑後市の会社員(37)は、この夏、主治医から十分説明を受けて温存療法を選んだ。医師とのやりとりとともに、紹介された乳がん経験者と話して、気持ちが落ち書き、自分で選ぶ勇気がわいた。
★「ぜひ先輩の話を直接聞いて」と助言する。
医療改革の第一歩は、患者の自衛から
★10年前に乳がんの手術をうけた東京都練馬区の短大講師(39)は「患者も情報を集めて自衛しなければ」という。
★「患者会が情報公開に力をいれ始めたのが心強い。動ける患者、運動できる経験者を増やすことが、医療改革の第一歩
だと思う」
医師側からの情報公開も始まる
★医師の側からの情報公開もある。慈恵医大外科講師で、ナグモクリニック院長の南雲吉則さん(42)が中心になってすすめる、ファクスやインターネットを使った情報提供だ。
★米国立保健研究所が医師や患者、家族に出しているがん情報を、翻訳して無料で提供し、ボランティアの医師が相談にのっている。南雲さんは患者主体の医療を目指す米国の取り組みに感動し、3年前からこの情報公開を始めた。
★「相談を聞いて、こんな治療を受けているのかと驚くこともあります。納得して治療をうけるために、セカンドオピニオンは欠かせない」という。同クリニックの連絡先は、03-3490-5757。