術後の抗癌剤A 肺癌・食道癌でも「不要」!
心配される副作用、最新情報患者に示せ
厚生省研究班:朝日新聞(97-11-20)から引用
★がんの手術後、副作用の心配のある抗がん剤が多くの病院でごく当たり前に使われている。転移や再発を防ぐ狙いだが、早期胃がんだけでなく肺がんや食道がんでも、この治療に延命効果が見込めないことが厚生省研究班の臨床試験で分かってきた。 
★だが、進行して手術ができないがんの治療は、抗がん剤や放射線に頼らざるをえないのが現状だ。がん治療の最新情報はだれにも分かるように公表して、患者や家族も治療法の選択に参加できるようにすることが求められる。
様々な癌について、多様な大規模実験
★「固形がんの集学的治療の研究班」の9つのグループが胃がん、肺がん、食道がん、乳がん、リンパ腫などの標準的治療法の確立を目指して臨床試験を実施している。
★「早期胃癌で意味ある差」出ず:「早期胃がんの手術後の抗がん剤治療は不要」としたのは癌研究会病院の中島副院長が代表を務めた胃がん外科グループの研究だ(省略。詳細は「術後の抗癌剤@」参照)。
進行肺癌では、術後の抗癌剤は無効
★肺がん外科グループは、増加が著しい肺がんの8割以上を占める非小細胞肺がんが、周辺のリンパ節に転移するなどかなり進行した患者を対象に研究した。
★1986年から88年に国立がんセンターや大阪府立羽曳野病院など21の病院で手術した患者の5年生存率は、手術だけの91人は41%、2種類の抗がん剤を使った90人では35%だった。
★代表の土屋了介・同センター中央病院第一病棟部長(外科)は「この肺がんの大部分は手術以外に有効な治療法がないのが現実。効くかもしれないという期待から安易に抗がん剤を使うのは無意味。これは欧米でも同様だ」と話す。
食道癌でも、術後の抗癌剤は無効
★食道がんグループは、リンパ節を含めてがんを手術で取り除いた患者で、手術だけの百100人と、手術後に2種類の抗がん剤を使った105人を比べた。
★5年生存率は45%と48%で、意味のある差はなかった。
抗癌剤使用は、現状ではやむを得ない面も
★手術後に抗がん剤を使う治療は、術後補助化学療法と呼ばれる。延命効果を期待しての治療だが、下痢や吐き気、発熱などの副作用の心配があり、効果が見込めないなら使わないに越したことはない。
★しかし、がんがリンパ節に転移している場合などはさらに研究が必要で、研究班は別の抗がん剤を試したり、手術前に使用したりして臨床試験を進めている。(後略)